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【社員の頭が良くなる研修 第12回】伝える力の応用編

伝える力は 足すこと よりも 引くこと で磨かれる場面があります

顧問先企業にて継続して実施している 思考力強化術研修 も、第12回を迎えました。
今回のテーマは、伝える力の応用編です。

今回のキーワードは、会話の引き算。
伝える力というと、どう話すか、何を加えるか、どう補足するかに意識が向きがちです。
ですが、実務の現場では、足すことよりも引くことの方が効果を持つ場面が少なくありません。

重要なのは、自分がどれだけ伝えたかではなく、相手に伝わったかです。
伝わっているのであれば、それ以上の言葉は、時に親切ではなく雑味になります。
話せば話すほど伝わるとは限らない。
むしろ、伝わる人ほど、余計な言葉を減らしています。

私は、伝える力の応用とは、上手に飾ることではなく、必要なものだけを残せることだと考えています。
今回の研修では、その感覚を実践の中で身につけていただきました。

会話も料理と同じで 入れすぎると味がぼやけます

今回の研修では、会話の引き算を料理にたとえて整理しました。

素材の味を生かしたいなら、調味料や具材を入れすぎないこと。
料理は足し算だけで良くなるわけではありません。
入れすぎれば、かえって何を食べているのか分からなくなります。

コミュニケーションも同じです。
背景を全部話したい。
気を遣って補足したい。
誤解を防ぐために説明を増やしたい。
その気持ちは自然ですが、入れすぎると論点がぼやけます。

結果として、相手は何を受け取ればよいのか分からなくなる。
つまり、伝えたいことを守ろうとして、逆に埋もれさせてしまうのです。

私は、話し方の上手さとは、言葉を足せることではなく、論点を絞れることだと思っています。
今回の研修では、その感覚を知識ではなく体感でつかんでいただくことを重視しました。

伝えるとは たくさん話すこと ではなく 必要なことを残すこと です

実務の会話でよく起こるのは、話している本人は十分に説明したつもりでも、相手には要点が残っていないという状態です。
これは、話す量が足りないからではなく、残すべきものが定まっていないから起こります。

今回の研修では、伝えるとは多く話すことではなく、相手に必要なものだけを渡すことだと整理しました。
伝わる人は、相手に全部を渡そうとはしません。
まず何を残すべきかを考え、そのために不要な部分を削っています。

私は、伝える力が弱い人の多くは、言葉が少なすぎるのではなく、多すぎるのだと思っています。
そして、多いこと自体が問題なのではなく、削る基準を持っていないことが問題です。
今回の研修では、その 削る基準 を持つことが大きなテーマになりました。

知っていることと できること の間には意外と大きな差があります

今回は、話す役 と 聞く役 に分かれて、実践ワークも行いました。
仕事のテーマからプライベートの話題まで幅広く取り上げ、実際に伝える場面を体験していただきました。

ここで見えてきたのは、知識として理解していることと、実際にやってみることの差です。
頭では、短く話した方がよいと分かっている。
要点を絞るべきだとも分かっている。
それでも、実際に話し始めると、つい余計なことまで言ってしまう。
このズレは、多くの人に共通して見られました。

私は、この差を知ること自体に大きな価値があると思っています。
なぜなら、できていない理由が 能力不足 ではなく 習慣の問題 だと分かるからです。
知っているだけでは変わらない。
実際にやってみて初めて、自分の癖や弱点が見えてきます。
今回のワークは、その気づきを得るための大切な時間になりました。

話したくなる自分の癖を知ることが 応用編の出発点です

今回の参加者からは、引き算の重要性を実感した、どうしても話したくなる自分の癖が分かった、といった声がありました。
これは非常に大きな気づきです。

伝える力を伸ばすうえで重要なのは、正しい型を知ることだけではありません。
自分がどこで話しすぎるのか。
どんな場面で補足を入れたくなるのか。
何を不安に感じて言葉を増やしているのか。
そこが見えてくると、伝え方は変えやすくなります。

私は、応用編とは、新しい技術を増やすことではなく、自分の無意識を修正することだと思っています。
話しすぎる癖に気づける人は、少しずつ削れるようになります。
逆に、自分の癖に気づけない人は、いつまでも同じ場所でつまずきやすい。
今回の研修では、その意味でも 自分を見る時間 になったと感じています。

伝われば 多く話さなくてもよい と知ると 会話は楽になります

参加者の声の中には、伝われば多く話さなくてもいいと知ってすっきりした、というものもありました。
この感覚は、とても大切です。

多くの人は、伝わらないのは自分の説明が足りないからだと思い込んでいます。
だから、さらに話す。
さらに補足する。
さらに言い換える。
けれども、そうすればするほど、相手にとっては聞きにくくなることがあります。

必要なことが伝われば、それで十分です。
全部を説明しきることが正解ではありません。
私は、この感覚を持てると、会話はかなり楽になると思っています。

伝えることに苦手意識がある人ほど、全部きちんと話そうとします。
ですが、完璧に話すことより、必要なことを通すことの方が大切です。
今回の研修では、その考え方が参加者の中に少しずつ入っていったように感じました。

相手によって伝え方を変えることが 実務では欠かせません

今回の研修では、相手によって伝え方を変えてみたい、という声もありました。
これは応用編として、とても重要な視点です。

同じ内容でも、相手が違えば、伝え方は変わります。
結論だけ欲しい人。
理由がないと動けない人。
短く言ってほしい人。
丁寧に背景まで知りたい人。
相手によって、必要な情報量も順番も変わります。

私は、伝える力の応用とは、型を守ることだけではなく、相手に応じて調整できることだと考えています。
基本を持ったうえで、削る量を変える。
出す順番を変える。
言葉の温度を変える。
そこまでできるようになると、伝える力は一段上がります。

今回のワークでも、相手が変わると自分の話し方がどう変わるかを体験していただきました。
それによって、伝えるとは 自分が話しやすい形 ではなく、相手が受け取りやすい形 を選ぶことだと実感いただけたと思います。

一人ひとりの気づきが 次の行動を変えていきます

今回の研修では、

引き算の重要性を実感した
どうしても話したくなる自分の癖が分かった
伝えることへの苦手意識の原因が理解できた
伝われば多く話さなくてもいいと知ってすっきりした
相手によって伝え方を意識して変えてみたい
伝えたのに伝わらない理由が腑に落ちた

といった声が寄せられました。

私は、こうした 一人ひとりの小さな気づき こそが、次の行動につながると考えています。
大きな変化は、突然起こるものではありません。
会話の中で一つ削る。
報告の順番を一つ変える。
相手の反応を一つ見る。
そうした小さな実践の積み重ねが、やがて職場の空気を変えていきます。

伝える力を実践で磨くことが 人と組織を育てます

人は財。
私は、この考えを大切にしています。
そして、業績は結局、社員一人ひとりがつくります。

だからこそ、伝える力を知識で終わらせず、実践の中で磨き、活かしていくことに意味があります。
伝える力が上がれば、連携が変わる。
連携が変われば、組織の動きが変わる。
組織が変われば、結果も変わる。
その土台にあるのは、日常のやりとりです。

今回の第12回は、伝える力の応用編として、言葉を増やすのではなく、削ることで伝わり方を高める感覚を体験していただく回になりました。
今回もまた、人と組織を育てるための大切な一歩になったと感じています。

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