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【社員の頭が良くなる研修 第10回】伝える力の基本

2026.01.27

伝える力が弱いと、頭の中にある考えも現場で力を失います

顧問先企業にて継続して実施している 思考力強化術研修 も、第10回を迎えました。
今回のテーマは、伝える力の基本です。

仕事の現場では、多くの方が共通した悩みを抱えています。
言いたいことはあるのに、うまくまとまらない。
説明しているのに、結局何が言いたいのか分からないと言われる。
話したつもりなのに、相手に意図が伝わっていない。
こうした場面は、職種や立場を問わず、どの職場でも起こります。

ですが、その原因は、中身がないからとは限りません。
むしろ多くの場合、問題は 伝え方の型 にあります。

私は、伝える力とはセンスではなく技術だと考えています。
考えていることがあっても、形にできなければ伝わりません。
逆に、型を身につければ、これまで伝わらなかった人でも、仕事の場で一気に通るようになります。
今回の研修では、その基本を整理しました。

学校で慣れた話し方と、実務で求められる話し方は違います

今回の研修でまず確認したのは、私たちが慣れてきた話し方と、仕事で求められる話し方は違うという点です。

多くの人は、学校教育や物語文化の影響を受けて育っています。
話は最初から順番に進めるもの。
背景を説明して、流れを作って、最後に結論にたどり着くもの。
いわゆる 起承転結 です。

この型は、物語としては自然です。
相手を引き込み、経緯を共有し、最後に納得感を作るには向いています。
ですが、実務ではこの型がそのまま通用しにくい。

会議や報告の場で、途中で 結論は と聞かれた経験がある方は少なくないはずです。
これは、相手が厳しいからではありません。
実務の場では、まず結論を知りたいからです。

私は、このズレを理解するだけでも、伝え方はかなり変わると思っています。
話が下手なのではなく、使っている型が場面に合っていない。
今回の研修では、そこをまず言語化しました。

実務では うまく話すこと より 早く正確に伝わること が重要です

仕事の場では、話が面白いかどうかよりも、必要な情報が早く正確に伝わるかどうかが重視されます。
報告、相談、会議、申し送り。
どれも共通して大切なのは、相手が次の判断をしやすいことです。

背景から丁寧に話したくなる気持ちは自然です。
ですが、忙しい現場では、その丁寧さがかえって伝達の遅さにつながることがあります。
結果として、相手は途中で要点を探し始め、話し手はますます焦る。
そして、何を言いたかったのか分からないまま終わってしまう。

だからこそ実務では、話の順番が重要になります。
何を一番先に言うのか。
どこまでを先に出すのか。
何を削るのか。
ここが整うだけで、伝わり方は大きく変わります。

今回の研修では、なぜ起承転結が実務に向かないのかを整理したうえで、仕事の場で伝わる型へ切り替える考え方を学んでいただきました。

伝わらない人は 能力が低い のではなく 型を知らないだけのことがあります

伝えることに苦手意識を持つ人の中には、自分は説明が下手だ、自分は話すのが苦手だと思い込んでいる方もいます。
ですが、私はその多くは能力の問題ではなく、型を知らないだけだと考えています。

実際、頭の中では分かっているのに、口にすると崩れてしまう人は多い。
それは、考えがないのではなく、並べる順番と出し方が定まっていないからです。
つまり、整理のルールがないのです。

ルールがないまま話せば、思いついた順に言葉が出ます。
相手にとって必要な順番ではなく、自分の頭に浮かんだ順番で話してしまう。
その結果、伝わりにくくなります。

私は、こうした問題は訓練で改善できると考えています。
だから今回の研修でも、抽象論ではなく、現場ですぐ使える型として整理しました。

伝える力が変わると、報告も会議も日常会話も変わります

今回学んだ内容は、特別なプレゼンの場だけで使うものではありません。
むしろ、日々の何気ないやりとりの中でこそ効果が出ます。

上司への報告。
同僚との連携。
会議での発言。
日常の確認。
こうした場面で、話が分かりやすい人は、それだけで仕事が進みやすくなります。

伝える力が弱いと、説明のたびに時間がかかります。
確認が増えます。
誤解も起きます。
ですが、伝える力が整うと、やりとりは短くなり、精度は上がります。
これは本人の評価だけでなく、組織全体の動きにも直結します。

私は、伝える力とは個人の印象を良くするための技術ではなく、組織の生産性を上げるための基礎技術だと思っています。
今回の研修は、その土台づくりの回でもありました。

伝え方が変わると、組織のスピードと精度が上がります

現場で起こる多くのロスは、能力不足よりも伝達不足から生まれます。
言ったつもり。
伝わったはず。
分かっていると思った。
こうした思い込みが、確認漏れ、認識のズレ、判断の遅れにつながります。

逆に、伝える型が揃ってくると、組織の中で言葉の無駄が減ります。
何を先に言うかが揃う。
どこまで話せば伝わるかが見えてくる。
相手も受け取りやすくなる。
これだけで、組織の動きはかなり変わります。

私は、頭が良い人とは、難しいことを言える人ではなく、必要なことを相手に分かる形で渡せる人だと考えています。
その意味で、伝える力は思考力の外側にあるものではなく、思考力そのものでもあります。

分かったで終わらせず、数ヶ月かけて現場で鍛えていきます

今回の研修では、まず基本となる考え方と型を整理しました。
ですが、伝える力は一度聞いて終わるものではありません。
実際に使い、振り返り、修正しながら定着していくものです。

今後は数ヶ月かけて、報告、会議、日常のコミュニケーションの中で実践を重ねていきます。
知識として知るだけでなく、現場で使える状態にすること。
そこまでいって初めて、研修の意味があります。

今回の第10回は、そのスタート地点です。
伝える力が変われば、個人の仕事の質が変わる。
個人が変われば、組織全体のスピードと精度が変わる。
今回もまた、現場を強くするための大切な時間となりました。

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