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【税理士選びの基礎 #9】税理士が感じる難しいお客様の共通点とは。経営が苦しくなる考え方

こんにちは。
福島県郡山市で税理士事務所を運営している、税理士の遠藤光寛です。
私は国税に18年間勤め、開業して7年目になります。現在は税務顧問に加えて、企業のお金が残る仕組みづくりや、社員を育てる研修を通じて、福島の中小企業を支援しています。

税理士として多くの経営者の方とお会いし、数字と向き合ってきました。
その中で、この方は支援が難しくなりやすい、と感じる場面があります。

もちろん、性格が悪いという話ではありません。
むしろ、真面目で誠実な方も多いです。
ただ、社会の見方、商売の捉え方、お金に対する感覚にズレがあると、支援の方向性そのものが定まりにくくなります。

今回は、税理士の立場から見た、難しくなりやすいお客様の共通点を整理します。
これは人を批判するためではなく、経営が苦しくなる考え方を見つめ直すための記事です。

難しいお客様とは、性格の問題ではなく経営の前提がずれている方です

税理士にとって難しいお客様とは、単に厳しい人、細かい人、意見が強い人という意味ではありません。

本当に難しいのは、経営の前提そのものがずれているケースです。

何にお金を使うべきか
何を優先して判断すべきか
数字をどう見るべきか
時間にどんな価値があるか
商売をどう捉えるか

こうした前提がずれていると、どれだけ助言をしても伝わりにくくなります。
一時的には納得しても、また元の判断に戻ってしまうこともあります。

その結果、会社にお金が残らない、判断が遅れる、支援が成果につながらないという状態になりやすくなります。

1. お金を使わずに何とかしようとする

最も多いのがこのタイプです。

広告にお金をかけたくない
専門家への報酬は抑えたい
補助金で何とかしたい
なるべく持ち出しなく成果だけ得たい

気持ちは分かります。
ですが、商売の基本は、お金を使って、それ以上の成果を取りに行くことです。

もちろん、無駄遣いは良くありません。
ただ、必要な投資まで避けてしまうと、売上も組織も育ちません。

こうした方は、支援を受けるときも、何を得られるかより、いくらでやってくれるかに意識が向きやすくなります。
その結果、価格は抑えられても、成果は限定的になります。

経営で大切なのは、なるべくお金を使わないことではありません。
使うべきところに使い、回収することです。

2. 自分の業界の常識だけで判断してしまう

うちの業界ではこれが普通です。
この業界では昔からこうです。
うちの世界ではそれは通用しません。

こうした言葉が強く出る方もいます。

たしかに、業界ごとに商習慣はあります。
ただ、数字の世界では、業界を超えて共通する原則があります。

売上
利益
現預金
借入金
粗利
固定費
キャッシュフロー

これらは、どの業界でも経営の土台です。

ところが、業界の常識を優先しすぎると、数字を客観的に見られなくなります。
職人肌の方や専門職出身の方に多い傾向ですが、経験や感覚に頼りすぎると、経営は再現性を失います。

業界の常識は大事です。
しかし、それだけで会社は守れません。
数字という共通言語で現実を見る姿勢が必要です。

3. 過去の肩書や経歴に寄りかかってしまう

昔はこうだった。
前職では大きな組織を動かしていた。
学歴にも自信がある。
資格も実績もある。

それ自体は立派な財産です。
ただ、経営では過去の肩書だけでは会社は続きません。

今、利益が出ているか。
今、現金が残っているか。
今、事業が前に進んでいるか。
この現実がすべてです。

数字は冷静です。
努力や過去の実績を否定はしませんが、それだけで会社を維持してはくれません。

過去に何者だったかより、今何を積み上げているか。
ここに目が向かないと、経営判断は現実から離れていきます。

4. 人の時間を軽く見てしまう

少し話を聞いてほしい。
相談だけなら無料でよいはず。
今すぐ答えてほしい。
準備はしていないが、とりあえず見てほしい。

こうした感覚も、支援が難しくなりやすい要因です。

税理士の仕事は、書類を出すことだけではありません。
考え、整理し、判断し、伝えることです。
そのためには時間がかかります。

30分話すということは、30分の拘束ではなく、その前後の準備や確認も含めた仕事です。
時間の価値を軽く見る方は、支援そのものの価値も軽く見やすくなります。

逆に、有料相談の場では、聞く側も話す側も集中します。
事前に考えを整理し、限られた時間の中で結論を出そうとする。
だからこそ、前に進みやすくなります。

時間に対する敬意は、経営者としての成熟にもつながります。

5. 黒字なのにお金が残らない

数字に表れる典型例として、黒字なのにお金が残らない会社があります。

頑張っているのに資金繰りが苦しい。
利益は出ているのに通帳残高が増えない。
忙しいのに、なぜか不安が消えない。

こうした会社には、お金の使い方に特徴があります。

・分不相応な設備投資
・社長個人の支出との混同
・採用や人件費の見込み違い
・借入と返済の感覚の甘さ
・利益と現金の違いへの理解不足

経営では、利益だけ見ていても足りません。
現金が残るかどうかを見ながら意思決定しないと、黒字でも苦しくなります。

税理士として危機感を覚えるのは、こうした会社が数字の意味を正しく捉えないまま、さらに判断を重ねてしまうことです。
黒字だから大丈夫、ではなく、現金が残っているかを見る。
この視点が欠けると危険です。

難しいお客様は悪い人ではありません

ここは誤解してほしくありません。

難しいお客様とは、悪い人という意味ではありません。
むしろ、真面目で、丁寧で、一生懸命な方も多いです。

ただ、そのままの考え方では会社が続かない。
そのままの判断では、お金が残らない。
そのままの姿勢では、支援を受けても成果につながりにくい。
そういうケースがあるのです。

だからこそ税理士には、耳の痛いことでも率直に伝える役割があります。
それでは厳しいです。
その考え方では会社が傷みます。
ここに投資しないと前に進みません。
そうしたことを、感情ではなく現実として伝える必要があります。

経営に必要なのは、想いだけでなく視点です

経営には想いが必要です。
真面目さも必要です。
努力も必要です。

ですが、それだけでは会社は続きません。
大切なのは、何を見るかという視点です。

お金をどう使えば成果につながるか。
数字のどこを見れば危険信号が分かるか。
時間をどこに配分すべきか。
今の自分の考え方にズレがないか。

こうした視点を持てるようになると、会社は少しずつ変わります。
逆に、視点が変わらないままでは、どれだけ頑張っても同じ壁に当たり続けます。

私は、税理士として、単に数字を整えるだけでなく、この視点を届ける存在でありたいと考えています。

まとめ

税理士が難しいと感じるお客様には、いくつかの共通点があります。

・必要な投資まで避けようとする
・業界の常識だけで判断する
・過去の肩書に寄りかかる
・時間の価値を軽く見る
・利益より現金の重要性を見落とす

これらは、性格の問題ではありません。
経営の前提や視点の問題です。

そして、そのズレがあると、税理士との関係もうまく機能しにくくなります。
助言が伝わらない。
判断が変わらない。
結果として、会社が苦しくなる。
そういう流れが起きやすくなります。

経営を良くするために必要なのは、正しそうに見える努力ではなく、成果につながる見方を持つことです。
今の自分の判断の前提にズレがないか、一度立ち止まって見直してみてください。

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今の課題がどこにあるのか、税理士との関わり方にどんなズレがあるのかを整理するきっかけになります。
いきなり結論を出さなくても構いません。
まずは現状を見える化するところから始めてみてください。

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福島県郡山市で、税理士のセカンドオピニオンを中心に活動。 国税18年、税理士8年の経験をもとに、経営の損失を防ぐため、お金、人材、時間、機会、家族、未来の6つから企業を支援。

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