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利益が出たあとに、何へ投資するかで会社の寿命は決まる

会社に利益が出たとき、経営者は次に問われます。
この利益を、どこに使うのか。

この問いに答えられない経営者は、決まって同じ行動を取ります。

・安直な節税
・必要以上の役員報酬
・高級車や自社ビルなどの浪費
・とりあえず繰り延べておこうという先送り

結果として何が起きるか。
利益は安定せず、年ごとに黒字と赤字を繰り返し、外部環境が悪化したときに資金繰りが一気に詰まります。

原因はシンプルです。
投資先を知らないことです。

特に二代目経営者の場合、周囲から情報が多く入る分だけ、次の一手を誤るケースが非常に多い。
だからこそ、利益が出たあとに何へ投資するのかを、最初から決めておく必要があります。

結論から言います。
ビジネスを伸ばす投資は、この3つだけです。

・自己投資
・リスト投資
・生産性投資

そして、この3つに共通する前提があります。
それは、やらないことを決めることです。

1. 投資の前に、やらないことを決めないと意味がありません

経営者の時間と集中力は有限です。
だから、やることを足すだけでは何も変わりません。

投資とは、何かを捨てて、別のものに振り替える行為です。
新しいことを始めるとは、今まで惰性で続けていた何かをやめることでもあります。

① やめない限り、投資の時間は生まれません

よくあるのが、学ぶ時間がない、人材育成まで手が回らない、既存客のフォローができない、という話です。
しかし実際には、時間がないのではなく、いらないことを切っていないだけのケースが多いです。

たとえば、

・惰性で出ている会合
・意味の薄い業界付き合い
・数字に直結しない雑務への過度な関与
・自分でやる必要のない確認作業
・社長がいなくても回る業務への執着

こうしたものを切らない限り、どんな投資もやったつもりで終わります。

② 投資とは、足し算ではなく引き算の後に行うものです

経営者は、投資と聞くと何か新しいものを買う、何かを始める、と考えがちです。
ですが本質は逆です。
やらないことを決めたあとに、空いた時間と資源をどこへ振るか。
それが投資です。

この前提がない会社は、利益が出ても結局、なんとなく使って終わります。
だから何も残りません。

2. 1つ目の投資先は、自己投資です

まず最初は自己投資です。
理由は明確です。
唯一、なくならない投資だからです。

株式投資は損をすることがあります。
設備投資も失敗することがあります。
人への投資も、辞められれば回収できないことがあります。

しかし、経営者自身に積み上がった経験、判断力、視点は、会社が変わっても、業界が変わっても消えません。
これは二代目経営者にとって、最も再現性の高い投資です。

① 二代目経営者ほど、自己投資の意味は大きいです

創業者は、ゼロからの修羅場で嫌でも判断力を磨きます。
一方で二代目経営者は、会社がある程度回る状態からスタートするため、学ばなくても日常業務が進んでしまう。
だからこそ、意識的に自己投資しなければ判断力は育ちません。

自己投資とは、知識を増やすことではありません。
判断の精度を上げることです。
この違いは大きいです。

② 予算感は、一般論より多めで考えた方がいいです

一般的には、自己投資は年収の3から5%程度と言われます。
ただし、二代目経営者が先代、同業、大手と伍していくなら、10%程度を目安にしてもよいと私は思います。

なぜなら、二代目経営者は放っておくと経験差で負けやすいからです。
量を入れて、判断力を早く引き上げる必要があります。

③ 投資対象は 知識 ではなく 判断材料 です

自己投資の対象として考えられるのは、

・セミナー
・講座
・他社視察
・他業種視察
・新分野への挑戦
・経営者との壁打ち
・数字を読む訓練

などです。

ここで重要なのは、何を知ったかではなく、何を判断できるようになったかです。
知識が増えただけでは、会社は変わりません。
判断が変わって初めて、会社は変わります。

④ 自己投資は、放っておくと 消費 になります

自己投資でよくある失敗は、学んで終わることです。

・参加して満足
・メモして終わり
・現場に戻って何も変わらない

これでは投資ではなく、消費です。
だから、必ず振り返りの仕組みが必要です。

・何を持ち帰ったか
・何を試すか
・何をやめるか
・いつまでにどう変えるか

ここまで落として、初めて自己投資になります。

3. 2つ目の投資先は、リスト投資です

次はリスト投資です。
これは、既存客をリスト化し、関係性を資産化する投資です。

なぜ重要か。
一般的に、新規顧客の獲得には既存客の維持より何倍もコストがかかると言われています。
それにもかかわらず、多くの会社は既存客を放置し、離脱してから慌てて新規を追いかけます。

この悪循環に入ると、営業費ばかり増えて、利益率がどんどん落ちます。

① リストとは、連絡先ではありません

ここでいうリストは、単なる住所録や電話帳ではありません。
関係性の履歴です。

・いつ
・何を
・どんな理由で
・誰が
・どのくらい買ったか
・どんな反応だったか
・次に何を提案できるか

これが整理されていて初めて、リストは資産になります。

② 既存客を放置する会社ほど、いつまでも新規に追われます

新規客ばかり追いかける会社は、一見すると前向きに見えます。
ですが実際には、既存客との関係づくりを怠っているだけのことも多いです。

既存客に対して、

・新商品や新サービスの案内
・定期的なフォロー
・価格改定の事前説明
・アップセルやクロスセル
・利用状況の確認

こうしたことを機械的に、継続的にできる会社は強いです。
なぜなら、売上が読めるからです。

③ 発信者都合のSNSでは、リスト投資になりません

ここで多い失敗があります。
とりあえずLINEで。
SNSで発信しているから。
これで安心してしまうことです。

しかし、これは発信者都合です。
顧客が本当に見たいか、読みたいか、邪魔にならないか。
そこまで考えなければ、関係性の強化にはなりません。

リスト投資の本質は、連絡手段を持つことではなく、適切なタイミングで、適切な内容を届けられる状態を作ることです。

4. 3つ目の投資先は、生産性投資です

最後は生産性投資です。
具体的には、外注、仕組み化、IT化、自動化などです。

目的はひとつ。
会社を24時間以上働かせることです。

社長一人の時間には限界があります。
社員にも労働時間の限界があります。
だから、利益を伸ばしたいなら、時間の総量ではなく、仕組みの総量を増やさなければなりません。

① 生産性投資の中心は 外注 です

なぜ外注なのか。
理由は現実的です。

・社員より安価なケースが多い
・成果物契約にしやすい
・教育コストが比較的少ない
・スピードと専門性が高い
・繁閑に応じて量を調整しやすい

社員は8時間しか働けません。
しかし、外注は相手次第で、自社の営業時間外にも仕事が進みます。
これが大きいです。

② 何を外注化して、何を外注化しないかを先に決める

外注で失敗する会社は、この線引きができていません。

外注化するべきものは、

・誰でもできる業務
・仕組み化できる業務
・再現性のある作業
・マニュアル化できるもの

です。

逆に、外注化しないものは、

・コア事業
・秘匿情報
・真似されたら困る部分
・顧客との信頼の中心部分

です。

ここを感情で決めると失敗します。
何でも自分で抱え込む会社は、忙しいだけで伸びません。
逆に、外に出せるものを明確に切り分けられる会社は、伸びます。

③ 生産性投資は、社長をラクにするためではありません

ここも誤解されやすいところです。
生産性投資の目的は、社長をサボらせることではありません。
社長が社長の仕事に集中するためです。

数字を見る。
方向を決める。
投資判断をする。
人を育てる。
顧客との大事な関係をつくる。
社長がやるべきなのは、本来こちらです。

そのために、再現性のある作業は、できるだけ仕組みに流す。
これが生産性投資です。

5. 利益が出たあとに、浪費へ流れる会社は必ず止まります

利益が出ると、人は安心します。
安心すると、次のような行動が増えます。

・高級車を買う
・自社ビルを建てる
・役員報酬を上げる
・必要以上に節税に走る
・とりあえず使っておこうとする

私は、事業に直接必要でないものは、基本的に浪費だと考えています。
厳しく聞こえるかもしれませんが、これは感情論ではありません。
持続性の話です。

利益は、使っていいお金ではありません。
次の成長を決めるための原資です。
この認識があるかないかで、会社の寿命は大きく変わります。

6. 伸びる会社は、利益の使い道が最初から決まっています

一発屋で終わる会社は、利益が出てから使い道を考えます。
だから、場当たり的になります。

一方で、伸びる会社は違います。
利益が出たらどこへ振るかが、最初から決まっています。

・自己投資で判断力を上げる
・リスト投資で関係性を資産化する
・生産性投資で会社の稼働時間を伸ばす

そしてその前提として、やらないことを決める。
この流れができている会社は強いです。

利益が出たあとに迷わない。
迷わないから、浪費しない。
浪費しないから、次の柱が育つ。
この差が、5年後、10年後に大きく出ます。

7. まとめ

利益が出たあとに何へ投資するかで、会社の寿命は決まります。

ビジネスを伸ばす投資先は、この3つです。

・自己投資
・リスト投資
・生産性投資

そして、そのすべての前提は、やらないことを決めることです。

自己投資で、経営者の判断力を上げる。
リスト投資で、関係性を資産に変える。
生産性投資で、会社の稼働時間を伸ばす。

この流れができていない会社は、利益が出ても、その場しのぎで終わります。
結果として、黒字と赤字を繰り返し、外部環境が変わったときに一気に詰まります。

特に二代目経営者は、周囲から情報が多い分だけ、利益の使い道を誤りやすい。
だからこそ、この3投資を意識してほしいと思います。

一度うまくいった会社を、続く会社に変えられるかどうかは、利益が出たあとの判断で決まります。
伸びる会社は、利益の使い方が決まっています。
それだけの違いです。

8. 利益が出たあとに迷わない会社にしたい方へ

利益は出ている。
でも、なぜか手元に残らない。
次の成長につながっている実感もない。
そう感じるなら、問題は売上ではなく、利益の使い道にあるかもしれません。

何をやめるのか。
何に投資するのか。
その順番が整理できるだけで、会社の伸び方はかなり変わります。
まずは、自社の利益が 消えている のか、育っている のかを見直してみてください。

福島県郡山市で、税理士のセカンドオピニオンを中心に活動。 国税18年、税理士8年の経験をもとに、経営の損失を防ぐため、お金、人材、時間、機会、家族、未来の6つから企業を支援。

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