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【離職防止研修 第6回】家計簿を電子化する前にできること

2026.01.13

家計簿アプリを入れる前に、まず見るべきものがあります

顧問先企業にて、全社員向けの離職防止研修 第6回を実施しました。
今回のテーマは、家計簿を電子化する前にできることです。

最近は、会計ソフトや家計簿アプリ、NISA、iDeCoなど、お金に関する便利な手段が増えています。
どれも使い方次第では有効です。
ですが、その前にもっと大切なことがあります。
それは、いま自分の家計がどうなっているのかを、正しく把握することです。

便利な仕組みを入れても、現状が見えていなければ意味がありません。
これは家庭でも同じですし、企業経営でもまったく同じです。
数字が見えていない状態で対策だけ増やしても、改善は進みません。
まず必要なのは、現状を直視することです。

改善の出発点は、現状を見える形にすることです

今回の研修では、通帳残高の年次推移を一覧化し、折れ線グラフで可視化するワークに取り組んでいただきました。

単に収入や支出の項目を眺めるのではなく、残高そのものがどう動いてきたのかを見る。
この視点が非常に重要です。

毎月頑張っているつもりでも、残高が減っていれば、どこかに問題があります。
逆に、派手な節約をしていなくても、残高が増えていれば、その家計は改善に向かっています。
感覚や気分ではなく、実数で確認する。
これが、お金の管理の土台です。

私はよく、残高は嘘をつかないとお伝えしています。
家計でも会社でも、最後に現実を表すのは残高です。
言い訳も希望的観測も通じません。
だからこそ、改善の出発点は、現状の見える化から始まります。

家計も会社も、見えていないものは改善できません

今回のテーマは家計ですが、本質は経営と同じです。
会社でも、売上だけ見て安心していると危険です。
利益が出ていても、お金が残っていなければ苦しくなります。
家庭も同じで、収入があることと、お金が残ることは別の話です。

何となく大丈夫だろう。
今月も給料が入ったから大丈夫。
ボーナスがあるから何とかなる。
こうした感覚で回しているうちは、本当の意味で家計を管理しているとは言えません。

通帳残高の推移を並べてみると、そこで初めて見えるものがあります。
増えている年、減っている年、崩れ始めた時期、生活の変化との関係。
数字は、生活の履歴でもあります。
だから私は、まず残高を見るところから始めることを重視しています。

手段の前に、土台を整えることが先です

家計簿アプリを入れることも、会計ソフトを使うことも、NISAやiDeCoを始めることも、それ自体は悪くありません。
ですが、土台がないまま手段だけ増やすと、続かないか、形だけになりやすい。

なぜ記録するのか。
何を把握したいのか。
どこを改善したいのか。
ここが曖昧なままでは、どんな便利なツールも力を発揮しません。

私は、お金の管理で大切なのは、最新の仕組みを知ることよりも、自分の現状を正確につかむことだと考えています。
現状が見えれば、次に打つ手が見えてきます。
逆に、現状が見えなければ、何をしても空回りしやすい。
それは家計でも経営でも同じです。

数字で見ると、判断が感覚から現実に変わります

ワークの中で、参加者の皆さまには真剣に取り組んでいただきました。
通帳残高を一覧にし、折れ線グラフにするだけで、見え方は大きく変わります。

何となく減っている気がする。
前より苦しい気がする。
そうした曖昧な感覚が、実際にどの年から、どの程度変化しているのかが見えてきます。

数字で推移を確認することで、判断は感覚ではなく実数に基づくものに変わります。
これができるようになると、お金の話は急に現実的になります。
漠然とした不安ではなく、どこを直せばいいかという具体的な課題に変わるからです。

離職防止は、生活の土台を整えることでもあります

私は、離職防止を単なる人事制度の話だけで終わらせたくありません。
社員が安心して働き続けるためには、生活の土台が整っていることも重要です。
家計が見えていない、不安が大きい、将来の見通しが立たない。
こうした状態は、仕事への集中や定着にも確実に影響します。

だからこそ、社員一人ひとりがお金を感覚ではなく数字で捉えられるようになることには意味があります。
自分の生活を把握できる人は、将来への不安に振り回されにくくなります。
そして、その落ち着きは仕事にも表れてきます。

今回の研修も、単に家計簿の付け方を教える場ではありません。
生活の現実を直視し、自分で整えていく力を身につけるための時間として実施しました。

変化は、見える化した人から始まります

今回も、参加者の皆さまが真剣に向き合ってくださったことが印象に残りました。
数字を見ることは、ときに怖さもあります。
ですが、見ないままでは何も変わりません。
現状を見える形にした人から、改善は始まります。

残高は嘘をつきません。
そして、残高が変われば、人生の選択肢も変わります。
私は、そうした土台づくりまで含めて、企業支援だと考えています。

今回の研修もまた、社員一人ひとりが自分の生活を整えるための、確かな一歩になったと感じています。

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