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【現場会議の運営 #1】見えない離脱客にどう立ち向かうか

2026.03.05

客数を伸ばすには 新規だけでなく 離脱にも目を向ける必要があります

顧問先企業にて、現場会議の運営を行いました。
今回のKPI会議のテーマは、客数です。

売上を考えるとき、多くの現場では新規客の獲得に意識が向きやすくなります。
もちろん、新しいお客様を増やすことは大切です。
ですが、同時に見落とされやすいのが、いつの間にか離れていったお客様の存在です。

私は、業績改善では 増やすこと と同じくらい 減らさないこと が重要だと考えています。
特に客数は、新規だけを追いかけていても、離脱が大きければ思うように積み上がりません。
今回の会議では、数字に表れにくい 離脱客 に焦点を当て、現場の皆さまと議論を深めました。

離脱客は 新規客よりも見えにくい存在です

今回の会議でまず確認したのは、離脱は新規よりもずっと見えにくい現象だということです。

新規客は比較的可視化しやすい。
何人増えたか、どこから来たか、どの施策が効いたか。
数字としても、現場の実感としても把握しやすい部分があります。

一方で、離脱は静かに起こります。
何となく来なくなる。
比較対象がないまま、気づけば減っている。
しかも、その理由を明確につかめるケースは限られています。

今回の会議では、離脱客のうち、明確に把握できるのは1割程度にすぎないという前提を共有しました。
つまり、多くの離脱は、原因がはっきり見えないまま進んでいくということです。

私は、ここが現場改善の難しいところだと思っています。
見える問題には手を打ちやすい。
ですが、見えない問題は放置されやすい。
だからこそ、見えないまま終わらせず、仮説を立てながら向き合うことが必要になります。

離脱の全てを自社の責任にする必要はありません

今回の議論では、離脱の背景についても整理しました。
一つ重要な前提として共有したのは、離脱の全てが自社の問題ではないということです。

今回の会議では、離脱の7割は相手の都合、残り3割は自社側の課題という視点で整理しました。
たとえば、生活環境の変化、転居、家族事情、相手の優先順位の変化など、自社ではコントロールできない理由は確かにあります。

この視点はとても大事です。
なぜなら、離脱が起きたときに、何でもかんでも自分たちの責任だと捉えると、現場が必要以上に疲れてしまうからです。
一方で、全部相手の都合だとして思考を止めてしまえば、改善の余地も失います。

私は、現場に必要なのは、責めることではなく切り分けることだと考えています。
自社で変えられないものと、変えられるもの。
そこを分けて考えられるようになると、会議は感想戦ではなく改善の場になります。

大切なのは 何をやるか と同時に 何をやめるか を決めることです

今回の会議では、この前提に立ったうえで、各チームごとに

何を優先すべきか
何をやめるべきか

を検討し、発表していただきました。

現場改善というと、どうしても 新しく何かを始める 方向に意識が向きがちです。
ですが、実際には、今やっていることを見直し、効果の薄いことをやめる方が成果につながる場面も少なくありません。

私は、現場が強くなるときには、足し算だけでなく引き算ができるようになると思っています。
忙しい現場ほど、全部やろうとして疲弊しやすい。
だからこそ、何を残し、何を捨てるかを自分たちで考えることが重要です。

今回の会議では、この視点を現場の皆さま自身に持っていただき、議論を進めてもらいました。
ここに、単なる指示型の会議ではない意味があります。

自分で出した案を 自分で引っ込められる場は強い組織です

今回の会議で印象的だったのは、一度出したアイデアを自ら撤回する場面があったことです。

一見すると、意見がぶれたようにも見えるかもしれません。
ですが、私はこれは非常に良い変化だと考えています。

現場会議で本当に大事なのは、最初に出した意見を守り抜くことではありません。
議論を通じて、より良い方向へ考えを修正できることです。
自分の案に固執せず、状況を見て引き直せる。
この柔らかさは、強い組織に欠かせません。

また、他チームの意見をきっかけに議論が一気に進んだ瞬間もありました。
これは、会議が単なる発表会ではなく、相互に影響し合う場になっていた証拠です。

私は、会議の価値は 正解を当てること よりも、現場の思考が動くこと にあると考えています。
今回の会議では、まさにその動きが見えました。

数字は 勝手に動くものではなく 現場の行動で変わります

今回のテーマは客数でしたが、実際に扱っていたのは数字そのものより、数字の裏にある現場の行動です。
新規客をどう増やすか。
離脱をどう減らすか。
そのために、何を続けて、何をやめるか。
数字を変えるには、こうした日々の行動が変わらなければなりません。

私は、数字は人が動かすものだと思っています。
どれだけ立派な目標を立てても、現場が動かなければ数字は変わりません。
逆に、現場の中で小さな改善が積み重なれば、数字は後からついてきます。

だからこそ、KPI会議は数字を責める場であってはいけません。
数字を通して現場の動きを見直し、次の行動を決める場であるべきです。
今回の会議も、その意味で非常に良いスタートになりました。

次回は速報値をもとに 改善を実行計画へ落とし込みます

今回の議論は、あくまで出発点です。
次回は、現場の速報値をもとに改善案を共有し、次の1か月に向けた実行計画を立てていきます。

大切なのは、話して終わらないことです。
今回出た意見が、実際の行動にどうつながるか。
そして、その行動が数字にどう表れるか。
ここまで見て初めて、会議は成果につながります。

人は財。
数字は、人が動かすもの。
私はこの考えを大切にしています。

顧問先の業績向上は、結局のところ現場の人から始まります。
今回の現場会議もまた、その力を引き出すための大切な一歩になりました。

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