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【創業融資の支援】計画は、なんとかならない前提で組み立てる

1 創業融資は、通すためではなく生き残るために組み立てるべきです

先日、新たに開業される方の創業融資支援を行いました。

今回の支援では、事業計画書の作成を一緒に進め、収益計画と資金繰り計画を整理しました。
結果として、金融機関からは厳しい見方もありましたが、融資は満額回答となりました。

創業融資の場面では、とかく大きな売上計画や明るい見通しを並べたくなります。
ですが私は、そこにあまり意味はないと考えています。

なぜなら、風呂敷を広げても、最後にそれをたたむのは事業主本人だからです。
身の丈を超えた計画は、一時的に見栄えがよくても、後で自分を苦しめます。
無理な力は、結局、身を亡ぼします。

① 見栄えのいい計画は、経営を守ってくれません

売上を大きく見せる。
成長性を強く見せる。
将来を明るく語る。
創業融資では、そうした方向に引っ張られやすい空気があります。

ですが、数字は見せるためにあるのではありません。
実際に事業を回し、返済し、生活を守るためにあります。
見栄えのいい計画より、実際に守れる計画の方が、はるかに価値があります。

② 創業者を守るのは、希望ではなく設計です

創業直後は、気持ちが前に出やすい時期です。
うまくいく前提で考えたくなる。
伸びる前提で組みたくなる。
ですが、経営は願望では続きません。

必要なのは、うまくいかなかった時にも耐えられる設計です。
私は、創業者を守るのは、明るい言葉ではなく、厳しめに作られた数字の設計だと考えています。

③ 今回大事にしたのは、まず生き残ることでした

だから今回も、最初に大事にしたのは、生き残る設計でした。
派手な売上ではなく、まずどうすれば崩れないか。
その視点から、計画を一つずつ組み立てていきました。

2 まず守るべきは、事業より先に家計という土台です

今回、最初に置いたのは、派手な売上ではありませんでした。
まず家計の安定です。

生活が崩れれば、事業も崩れます。
家計という土台が不安定なまま、事業だけを前に進めようとしても、長くは持ちません。

そのため今回は、必要な出費を整理し、必要利益を逆算し、そこから売上計画を組み立てました。
事業だけを切り離して見るのではなく、生活まで含めた全体設計にしたことが大きなポイントです。

① 家計が崩れると、経営判断は鈍ります

創業後に苦しくなる方の多くは、事業そのものだけでなく、生活の不安定さに引っ張られています。
生活費が足りない。
家族への負担が重い。
固定費が高い。
こうした状態になると、冷静な経営判断は難しくなります。

焦って売上を取りに行く。
無理な値引きをする。
合わない仕事でも受ける。
こうして事業の軸もぶれ始めます。

② 必要利益を逆算しないと、売上計画は空中戦になります

いくら必要なのかが曖昧なまま売上目標だけを作っても、現実には使えません。
生活にいくら必要か。
事業経費はいくらかかるか。
返済はいくら必要か。
そこから逆算して初めて、必要利益と必要売上が見えてきます。

私は、計画とは上から作るものではなく、足元から積み上げるものだと考えています。

③ 家計まで含めて見るから、計画が地に足つきます

事業計画だけを見れば、もっと大きく書くこともできます。
ですが、家計まで含めて見ると、数字は自然と現実的になります。
今回も、その現実的な設計が、結果として計画全体の信頼性を高めたと考えています。

3 創業は、予定どおりに進まない前提で考えるべきです

創業は、思った以上に予定どおりには進みません。
売上の立ち上がりが遅れることもある。
想定外の出費が出ることもある。
気持ちが張っている分、見込みを甘く見たくなることもある。

だからこそ、計画の時点で余白を持たせる必要があります。
今回も、市場の変動や、思ったよりうまくいかない局面を最初から織り込みました。

① 売上は、計画どおり立ち上がらないことが多いです

創業者の頭の中には、すでに理想の動きがあります。
このくらい受注できるはず。
このくらい広がるはず。
このくらい紹介が出るはず。
ですが、現実はそこまで素直ではありません。

売上の立ち上がりが遅れるだけで、資金繰りは一気に苦しくなります。
だから私は、売上は強気ではなく、慎重に見積もる方がよいと考えています。

② 想定外の出費は、ほぼ確実に出ます

開業直後は、予定していなかった出費が出やすい時期です。
設備、販促、移動、通信、細かい備品、契約関係。
一つひとつは小さくても、積み重なると効いてきます。

だからこそ、計画段階で余白を持つことが大切です。
ぎりぎりで組むと、何か一つズレただけで全体が崩れます。

③ なんとかなる前提ではなく、なんとかならない前提で考えるべきです

私は、創業計画は なんとかなる ではなく、なんとかならない前提で組み立てるべきだと考えています。
この視点があると、数字の見方は大きく変わります。
必要以上に背伸びをしなくなる。
借りすぎない。
使いすぎない。
そして、足元の売上と信用づくりに集中できるようになります。

4 創業は、地味で泥臭い積み重ねでしか形になりません

私は、創業はキラキラしたものではないと思っています。
創業とは、1円1円の泥臭い積み重ねです。

毎日の売上をつくる。
いただいたご縁を大切にする。
約束を守る。
信用を積み重ねる。
その繰り返しでしか、事業は形になりません。

① 事業は、派手な計画より日々の実行で決まります

創業時は、どうしても計画書や見通しが目立ちます。
ですが、本当に事業を形にするのは、毎日の行動です。
小さな売上。
小さな約束。
小さな信用。
この積み重ねが、後から大きな差になります。

② 借入は、金融機関との約束です

創業融資も単なる資金調達ではありません。
借入は、金融機関との約束の一つです。
借りた以上、返す。
その前提で、計画を上回る成果を出すことにこだわる。
この姿勢がなければ、融資は生きたお金になりません。

③ 融資後に必要なのは、驕らず積み上げることです

満額回答が出たとしても、それで安心してよいわけではありません。
むしろここからが本番です。
日々の売上とご縁を大切にしながら、信用と実績を一つずつ積み重ねていくこと。
そして、それに驕らないことです。

5 満額回答につながったのは、正直で誠実な設計だったからです

今回、金融機関に伝わったのは、奇をてらった計画ではなく、現実的で正直で誠実な設計だったのだと思います。
売上だけを見せたわけではありません。
家計まで含めた土台を見て、損益も資金繰りも詰め、悲観要素もきちんと入れた。
無理な拡大を前提にせず、まず生き残ることを優先した。
その積み上げが、最終的に満額回答につながったと考えています。

① 金融機関は、派手さより整合性を見ています

創業融資では、大きな数字が目を引くことがあります。
ですが、実際に見られているのは、話の整合性です。
売上、経費、生活、返済、資金繰り。
それぞれが無理なくつながっているか。
ここが大事です。

② 計画は、通すために作るものではありません

創業者の中には、計画は通すために作るものだと思っている方もいます。
ですが、本来そうではありません。
通すための計画ではなく、生き残るための計画を作るべきです。

通れば終わりではない。
通ったあとに、その計画で生きるのは自分です。
だからこそ、作る段階から現実に耐える設計でなければ意味がありません。

③ 計画とは、夢を書く紙ではなく設計図です

計画とは、夢を書く紙ではありません。
現実の中で生き残り、約束を守り、少しずつ前に進むための設計図です。
今回の支援が、その土台づくりになっていればうれしく思います。

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